心身症とは、心理的な要素が原因もしくは深く関係し、それがからだの病気をひき起こしている状態です。心とからだはとても密接な関係にあり、心の状態がからだに直接影響を及ぼすことがあります。暴飲暴食をしていないのに胃や腸の具合が悪い、背中が張る、突然動悸がする、頭痛、下痢、めまい、吐き気がある、急にドキドキしはじめる、咳がなかなか治らない、などの症状があって受診される場合が多いのですが、いろいろな検査をしても器質的な異常はみつかりません。そのため症状はあってもそれをなかなか理解してもらえず、複数の医療機関で同じような検査をくり返し受けている方も多いようです。また自分の症状が理解してもらえず、そのことがストレスとなってさらに症状が重くなり、不眠、イライラ、不安感、恐怖感、焦燥感(不快なあせり)などにさいなまれ、心療内科や精神科への受診を勧められる場合もあります。
気がかりなこと、悩んでいること、つらいことが解決せずに長引き、心が疲れてしまったときには、その問題を直視して解決を図ろうとするのではなく、そこから逃れようとする無意識の心理が働きます(自己防衛)。それは1つめにはからだの症状(前述)としてあらわれ、2つめはうつ状態のように心の症状としてあらわれ、3つめはアルコールやタバコの量が増える、パチンコに入り浸りになる、遊びまわるなどの行動面にあらわれます。しかし自分で状況を説明することができないため、周囲から理解されることも少なく、家族、知人、職場などでの人間関係がくずれてしまうこともあります。放置したり気づかなかったりすることで慢性疾患や生活習慣病になることもあります。はじめに検査でからだに異常がないかどうかを調べることが大事ですが、異常がなく症状が改善しないときは心身症の治療が必要です。




○ 耳鼻咽喉の病気 :
メニエール症候群、アレルギー性鼻炎など
○ 循環器の病気 :
高血圧症、狭心症、発作性頻脈など
○ 呼吸器の病気 :
気管支喘息、過換気症候群、神経性呼吸困難など
○ 消化器の病気 :
胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎、胃下垂、過敏性腸症候群など
○ 内分泌の病気 :
糖尿病、甲状腺機能亢進症など
○ 泌尿器の病気 :
頻尿、夜尿症(おねしょ)など
○ 生殖器の病気 :
勃起障害、月経困難症など
○ 皮膚の病気 :
アレルギー性皮膚炎、円形脱毛症、多汗症など
○ 神経の病気 :
頭痛など
○ 婦人科の病気 :
不定愁訴(ふていしゅうそ)、更年期障害など




症状に応じた検査で問題がない場合、ストレスチェックをします。

○ チェックリスト :
現在の気持ちや自分の心の状態を表現する質問にこたえていただき点数化します。 心理テストではなく絶対的な性格診断でもありません。物事のとらえ方、受けとめ方、考え方、他人に対する依存度などの傾向をみます。そのうえで気持ちが楽になるようなアドバイスをします




心身症の治療は、からだの病気の治療と心のケアを並行しておこなうことが大切です。

○ ストレスマネジメント :
医師が診察で患者さんのお話を丁寧に聞きます。とくに気持ちについて詳しくお話ししていただきます。そこから医師が患者さんの心理状態を分析し、患者さんが客観的に自分の気持ちを確認できるよう、わかりやすく説明します。また陥りやすい心理傾向などがある場合は、自分で自分自身の気持ちを上手にコントロールすることで回避できるようにアドバイスします
○ 薬物療法 :
眠れない、イライラする、不安であるといった症状がある場合には、それがさらにストレスとなって病気を悪化させることもあります。このような場合は、医師が判断し、安定剤や睡眠導入剤などの薬を処方します









平成14年6月1日 作成・アップ  平成17年3月31日 更新
編集・監修:中島 章(医師)